しろくろジョーカー

TOP > 〖 しろくろジョーカー 本能寺の変への道 〗

それはとある絵師が描いた戦国屏風絵で織田信長様と明智光秀様の物語にございます。

「夏の石山本願寺攻めと第1次木津川口の合戦」
石山本願寺攻めに飽きた信長様がお忍びで大坂湾までクジラ見学に船出。同乗した光秀様が
敵勢力圏内だから危険で帰ろうと進言しますが本願寺を陸海とも包囲していて大丈夫と信長様。
そこに本願寺の要請で援軍に来た村上海賊の船団と雑賀衆の鉄砲隊が奇襲。信長様不在の
陸上部隊は弱く敗走、信長水軍もほうろく玉の威力に壊滅。孤立した信長様達もボコボコに。

遠目で見ていた松永久秀様は呆れて信長軍離脱。命からがら脱出しましたが1ヵ月間ほうろく玉の
爆発音と火縄銃の銃声が耳から離れず耳鳴りで不眠に悩む光秀様でした。

「秋の比叡山焼き討ち」
比叡山延暦寺まで火祭りに来た信長様と光秀様。
柿の木の近くにいたキジを見て火矢で射貫くと悪ふざけの信長様。お寺の敷地内で殺生などもっての他。
顔面蒼白で悲鳴をあげる光秀様に驚き飛び立つキジ。放たれた火矢は大きく外れ乾燥したススキ林に突入。

そして山火事発生。
その山火事は四日四晩も燃え続けようやく鎮火。火矢が外れたのを光秀様のせいにする信長様。
仕方無く代わりに光秀様がお寺と町民の人達に謝罪し焼失したお寺の再建に励むのでした。

「冬の宣教師ルイス・フロイスと第六天魔王」
宣教師ルイス・フロイスからキリスト教について聞いた信長様は安土城でクリスマスパーティー開催。
重臣達にはサンタ衣装の信長様が直々にプレゼントを手渡します。箱を開ける光秀様。
中身は丹波方面出兵と書かれた辞令書でした。播磨方面は羽柴秀吉様、北陸方面は柴田勝家様と
他の重臣達にも出兵の辞令書をプレゼント。
「ワシから立身出世の機会を貰える事が最高のクリスマスプレゼントよな~」と
ドヤ顔で言い放つ見た目はサンタ、頭脳は第六天魔王な信長様。

仏教徒なのにイエスキリストに助けを求めたくなる光秀様は冬休み返上で出兵準備に追われる事になります。
宣教師ルイスは仕事がプレゼントなおぞましい光景に著書「日本史」に
「信長様キリスト教ワカッテマセ~ン魔王デ~ス」と後に記述し布教活動の難しさに頭を抱え悩んでいたのでした。

「春の三英傑とホトトギス」
武田氏滅亡させ祝勝会が法華時で行われます。
上機嫌の信長様がホトトギスのモノマネしながら蹴鞠をするよう光秀様にムチャ振りします。
お市様の前で恥ずかしいと断る光秀様に「鳴かぬなら殺してしまえホトトギス」と唄いながら刀に手をかける信長様。
さらに酔っ払った羽柴秀吉様と徳川家康様も「鳴かぬなら鳴かしてみせようホトトギス」、
「鳴かぬなら鳴くまで待とうホトトギス」とそれぞれ唄を詠んだとか詠んでないとか。
泣く泣く蹴鞠しながらモノマネする光秀様にかける言葉が見つからないお市様でした。

「季節の終わり本能寺の変」
度重なるパラハラに耐えかねた光秀様。
「敵は本能寺にあり!!」信長様に謀反を決行。桔梗紋の明智家の旗印が取り囲み雪崩れ込む
明智兵に信長様逃げ場無し。燃える本能寺の中、憐れ自刃することになる信長様。
すぐに光秀様も大山崎の戦いで秀吉様に討たれます。同じ年、同じ季節に時代の幕を降ろすお二人。
この屏風絵の物語もこれにて終幕にございます。